司法書士法人池袋法務事務所 > 記事一覧 > 遺言の検認が必要なケースとは?手続きの流れも解説
遺言の検認が必要なケースとは?手続きの流れも解説
カテゴリ:記事一覧
身近な方が亡くなり、遺言書が見つかった場合、その場ですぐに開封して内容を確認することは法律で禁じられています。
遺言の内容を法的に有効なものとして扱い、相続手続きを進めるためには、家庭裁判所による検認という手続きを経なければなりません。
本記事では、検認が必要なケースと、実際の手続きの流れについて解説します。
検認が必要な遺言書の種類
すべての遺言書に対して検認が求められるわけではありません。
検認が必要となるのは、主に自筆証書遺言と秘密証書遺言の2種類です。
自筆証書遺言とは、遺言者が全文を自筆で作成し、自宅などで保管していたものです。
この形式は作成が容易である反面、偽造や変造のリスクがあるため、裁判所による現状確認が求められます。
一方、公証役場で作成される公正証書遺言は、原本が公証役場に保管されており、偽造の恐れがないため検認は不要です。
法務局による自筆証書遺言書保管制度を利用している場合も、検認を受ける必要はありません。
検認手続きの具体的な流れ
検認の手続きは、遺言書を保管していた方、あるいは発見した方が家庭裁判所に申し立てを行うことで始まります。
管轄となるのは、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
必要書類の収集
申し立てには多くの書類が必要です。
被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本、および相続人全員の戸籍謄本を揃えなければなりません。
たとえば、被相続人に子供がいない場合は、親や兄弟姉妹の戸籍まで遡る必要があり、この準備だけで数週間を要することも珍しくありません。
家庭裁判所への申し立て
書類が揃ったら、家庭裁判所に申し立て書を提出します。
この際、遺言書1通につき800円分の収入印紙と、連絡用の切手代を納めます。
受理されると、裁判所から相続人全員に対して「検認期日」の通知が郵送されます。
検認期日当日の立ち会い
検認期日当日、申し立人は遺言書を持参して裁判所へ赴きます。
他の相続人の出席は任意ですが、裁判官は出席した相続人の前で遺言書を開封し、形状や日付、署名、押印の状態を確認します。
この様子は「検認調書」として記録されます。
終了後、遺言書に「検認済証明書」を合綴してもらうことで、不動産の名義変更や預貯金の解約といった実務に利用できるようになります。
まとめ
遺言の検認は、相続人の権利を守り、亡くなった方の最期の意思を尊重するために用意された公的な制度です。
手続きには複雑な書類収集や時間が伴いますが、これを怠ると相続実務が滞ってしまいます。
自力で行うことが困難だと感じた場合は、司法書士や弁護士といった専門家に相談することを検討してください。