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遺言信託とは?メリット・デメリットも併せて解説
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遺言信託は、相続対策として注目されるサービスで、銀行や信託会社が遺言の作成から管理、執行までをサポートする仕組みです。
遺言書に基づいて、財産が円滑に分配されるよう手続きを代行するため、相続に関する争いを防ぐことができ、遺言者が希望する相続が確実に実現される点でメリットがある一方デメリットもあります。
そこで、本記事では、遺言信託の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。
遺言信託の仕組みと基本的な流れ
遺言信託は、遺言者が生前に信託会社や銀行と契約を結び、遺言書の作成・保管・執行を委託する形で成立します。
遺言信託の一般的な流れとしては以下の手順で進みます。
遺言書の作成サポート
信託会社が遺言者の希望に基づき、遺言書の内容を一緒に確認します。
法的要件を満たす内容にするため、司法書士や弁護士と連携することもあります。
また、信託銀行の職員が証人として立ち会うこともあります。
遺言執行
遺言者が亡くなった際、信託会社は遺言執行者として、遺言の内容を執行します。
財産の分配や手続きは遺言書に基づいて行われ、相続人同士のトラブルを避けるために中立的な立場で処理が進められます。
遺言信託のメリット
遺言信託のメリットは以下の通りです。
円滑な相続手続き
信託会社が遺言執行者として管理・運用を行うため、相続人の負担が軽減されます。
遺産分配に関する事務手続きや名義変更なども、信託会社が代行するため、相続人間のトラブルも最小限に抑えられます。
相続トラブルの回避
相続はしばしばトラブルを引き起こすものですが、遺言信託を利用することで、遺産分割の方法が明確化されるため、相続人間の争いを未然に防ぐことができます。
特に遺産信託の多くは、公正証書遺言を作成するため、証人と公証人の立会いのもと遺言が作成され、遺言が無効になる可能性が低下し、結果的に相続人間のトラブルを防止しやすくなります。
安心感を買える
遺産信託を行っている信託銀行はメガバンクなどの金融機関が多く、安心して依頼することができます。
資産活用のアドバイスを受けることができる
遺言信託を扱っている信託銀行は金融機関のため、資産運用のノウハウを持っており、これらのアドバイスを受けることができるというメリットがあります。
遺言信託のデメリット
遺言信託のデメリットは以下の通りです。
コストがかかる
遺言信託の最も大きなデメリットは、費用が著しく高い点にあります。
主な費用として、初回の契約手数料、遺言執行手数料、さらに資産の内容に応じた管理費用などが発生します。
信託銀行は、遺言書の作成などの法的な事項を提携している司法書士等の専門家に依頼しているため、遺言信託で行う法的な手続きは司法書士でも対応可能です。
しかし、この手続きにさらに信託銀行が介入するため、司法書士に直接依頼した場合よりも高額な値段が設定されているという仕組みになっています。
信託銀行の手続きに関する制約
信託会社や銀行によっては、対応している遺言の内容や方法が限定されることがあります。たとえば、不動産が多く含まれる場合や複雑な家族関係が絡む場合には、特定の条件が付されるケースがあるため、サービス提供者の規約を確認してから契約を検討することが重要です。
遺言執行を行わない場合がある
遺言信託のデメリットとして、遺言執行を行ってくれない場合があります。
たとえば、相続人同士で争いが生じた場合に、遺言執行を行わない場合があります。
遺言執行は財産に限られる
遺言信託で信託銀行が遺言執行者となる場合、遺言執行者として行うのは財産的な事項に限られるため、子の認知といった身分に関する事項は行うことができないため、注意が必要です。
遺言信託の利用が適しているケース
遺言信託は以下のようなケースにおいて非常に有効といえます。
相続財産が多い場合
相続財産が多い場合は、相続手続きが複雑になりやすく、手間がかかるため、遺言信託に向いているといえます。
様々な金融機関に相続財産を有している場合
様々な金融機関に相続財産を有している場合には、遺言信託を利用し、相続財産を一つにまとめることにより、スムーズに相続手続きを進めることができる可能性が高まります。
まとめ
本記事では、遺言信託のメリット・デメリットについて解説しました。
遺言信託は、相続手続きをスムーズに進めるために非常に有効な手段である一方、費用が高額になったり、信託銀行側の制約があったりするなど、デメリットも多くあります。
遺言信託の利用を考えている際は、遺言信託を用いるのが最適かを判断し、場合によっては遺言手続きを司法書士に直接依頼することおすすめします。